「失われた20年」という言葉があるように、日本経済が長年低迷を続けていることは中国でももちろん知られており、中国では「1985年のプラザ合意が日本経済の大きな転換点だった」との論調が多く見られる。

 中国メディアの網易はこのほど、プラザ合意後の日本について分析する記事を掲載する一方、「日本はプラザ合意後に実力を隠すようになっただけで、実際には今なお大きな力を秘めている」としている。


 記事は「プラザ合意」について、実質的には「米国による制裁」だったと主張し、米国が経済成長の著しい日本を制裁するため、円高ドル安へと誘導するための合意だったと強調した。プラザ合意によって日本はバブル経済が生じ、その後バブルがはじけて長期にわたる経済低迷に至ったと説明した。

 しかし、記事によると「賢い日本人はその後、海外にもう1つの日本を作ることにした」と主張。もちろんこれは実際の国土のことではなく、「隠れた日本経済」のことだと指摘し、つまり日本から直接輸出するのではなく、「海外へ投資することで、投資先の第三国を通して世界に輸出する方法をとった」と説明した。これにより日米貿易摩擦をもたらすことなく日本経済を成長させることができたとしている。

 実際、2017年の時点で日本企業や個人が海外に保有する資産は1000兆円を超えており、これは日本の国内総生産(GDP)の約2倍の規模だ。
記事は、それだけでなく日本は長く世界最大の債権国としての地位を保ってきたと伝え、「日本は真の国際競争力を隠してきた」と主張した。

 それで記事は、日本を決して過小評価してはならず、実際には多くの面で優位性を保っていると強い警戒感を示した。これは経済規模のみならず他の分野でも同様で、例えば韓国に対して半導体材料の輸出管理を強化した際にも、日本の実力を垣間見ることができたと論じている。中国は何かと力を誇示する傾向にあるのに対し、日本はその真逆だと言えるが、日本の例は米国との貿易摩擦を抱える中国にとって参考になっているようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)